■ 本文より抜粋 |
第1章 仮想が現実になる日 〜 4.サイバーへ匠たちの「脱藩」
「いつまでも企業城下町にとどまっていたのでは新しい産業潮流は見えてこない」。地場産業の情報発信に取り組むインダストリーウェブ代表の大橋俊夫は地元十社の若手メンバーと”脱藩”に踏み切った。
全国でも珍しい製造業の仮想モール「諏訪バーチャル工業団地」をたち上げる。広くインターネット上に市場を探そうとの試みだ。超精密加工のダイヤ精機製作所(小口成人社長)も
「団地」を窓口にネット受注に加わった。自動旋盤に欠かせない超硬合金のチャック類など、たった一品でも設計から加工までオーダーメードで応じる。「汎用機でも一ミクロン単位の研磨や切削ができる。機械と人間の対話は他の地域がまねできない諏訪ならではのソフト資産」と開発部長の小口裕司は強調する。
(中略)
かつて坂本竜馬ら幕末の志士が脱藩、海を渡った。これが今日の技術立国へとつながっていく。モノづくりの新しい潮流に気づいた匠たちも竜馬同様、電脳社会に飛び出し製造業再生のパスポートを持ちかえろうとしている。
--------------------------------------------------------
第2章 生まれ変われ製造業 〜 20.平成の「海援隊」がゆく
・・・中小企業向けにモノ作りの情報をインターネットで紹介する「インダストリーウェブ」。
発信しているのは長野県岡谷市で機械商社を営む大橋俊夫氏。ネット上の電子カタログ、調達・発注情報、人材募集、さらに川崎市の「ものづくり共和国」など全国でサイバースペース(電脳空間)にはせ参じた中小製造業者とのリンクは百件を超えた。
大橋氏はホームページの冒頭にこんなメッセージを掲げている。「二十一世紀の日本の製造業を再び力づけるのはインターネット。生きた情報を早く確実に手に入れる最適のメディアだ」。 |
|
|