金属機械加工業界の情報・バックナンバー

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1997.11.10.

■ネットワークという武器■

景気の先行き低迷、大型倒産の頻発、上場企業の総会屋汚染、株価下落と
何かと暗いニュースが多い昨今である。
経済環境の厳しいと言われる中、中小製造業の先行きも決して楽観を
許されないが、考えてみれば、マクロ経済の状況と個々のミクロ経済は
必ずしもすべて一致するわけではない。

「景気が悪いから」と嘆いてみても、所詮救われる訳ではない。
我々中小企業は誰も助けてくれる訳ではないので、自助努力しかない。
 開き直る訳ではないが、人々が生活する以上、何らかの経済活動が有る訳で、
我々はその隙間を狙う。
前向きに考えると不思議と良いアイデアが出てくるものである。
弊社も小人数ではあるが、個性派人間の集まりで仕事の好きな連中が、
面白がって毎日取り組んでいる。

 逆に今は好機と見る。大企業には出来ない小回りの良さを武器に、
色んなアイデアでビジネスを立ち上げられるとみる。
一人では弱いが、中小企業にはネットワーク(人的、電子的)という武器がある筈だ。

諸兄の皆さん、ネットワークでアイデアを遣り取りしていきましょう。
何かとてつもない事がはじまりますよ。


1997.9.11.

■技術力とマ−ケティング■

先日の9月7日(日)にNHKで放映された、
「NHKスペシャル」をご覧になった方も多いと思います。

 技能オリンピックにおける、近年の日本の凋落振りと
他のアジア諸国の製造技術向上が取材されていた。
過去に金メダルを独占していた頃の話と最近では
1ケタ前半の個数しかとれない現状を訴えていた。

 生産の海外シフトが進み、日本国内における製造業の空洞化が叫ばれ、
久しく時間が経った。それらの背景から、技能オリンピックでの結果は
容易に予測できた訳である。そこで考えなくてはいけない事がある。
ではこれからのセ−ルスポイントは何なのか、という事である。
 
 もちろん、他のアジア諸国に負けない高度な開発力と技術力を
持つ事は言うまでもないが、それプラス市場(マ−ケット)に対する
分析力と提案力ではなかろうか。
マ−ケットに顔が向いていない、開発や技術はほとんど意味を持たない。
それは自己満足に過ぎないのである。

 今日、米国の長期的経済発展を見るにつけ、過去の反省に立って
マ−ケットの求めるものを高い技術開発力によって、供給しているという面がある。
 我々は今日、ネットワ−クという双方向性(インタラクティブ)メディアを
手に入れる事が出来た。
製造業として、このツ−ルを使わぬ手はない。

まさに、マ−ケティングの強力ツ−ルとして、市場情報を得て、
それに独自の高い技術力をのせていけば、決して後れを取る事はない。
そう思うのである。
                        

1997.8.18.

■業界人の夏休み■

毎年この時期(旧盆)になると恒例となるのが、高速道路の大渋滞と
交通網の混雑である。諸外国から見れば国民の大多数が一斉に夏休みを
この時期に取るのは奇異に感じるであろう。

休む時期を時差すれば良いのであるが、旧来からの習慣で
そうも行かないのであろうか。
国際化の進展や、インターネットなどの通信ネットワークの
爆発的な発達により海外との境界が希薄になりつつある。
そのような昨今の事情からすると、今後は変化の兆しが出てくるのかもしれない。

かく言う私は皆さんがお休み中に、パソコン2台並べて(電話がほとんど鳴らない
涼しいオフィスで)関連業界ウェブサイトより情報収集し、今後の戦略を
練っているところである。

どうぞ皆さんゆっくり休んで下さい!
                        

1997.7.22.

■製造業に求められるダイナミズム■

最近の経済記事等を見ると世の中が変わったんだなーと感じさせられる。

OA機器(コピー機等)、AV機器(ビデオカメラ、ハンディステレオ、DVD等)、
カメラ(デジカメ等)などの機器生産量が今年中か1〜2年以内に
デジタル機がアナログ機を上回るとの事。

また、景気絶好調の米国では牽引車の一つであるソフト産業を、
統計上の業種分類をサービス業から製造業に変えようという動き。

 1996年の国内産業別売上げについて、初めて情報通信産業
(パソコン、携帯電話が貢献)が自動車産業を上回ったという事。

 この世の中の変化を敏感に感じ取りながら、企業運営しなくてはならないのであろう。
当然製造業に求められるものは以前とは異なる訳で、特に中小製造業はこの変化に
柔軟に対応して行くダイナミズムこそ武器になる。
このダイナミズムを支えるツールの一つが情報ネットワークになる訳で、
良き道具として我々も駆使して行きたいと思う訳である。
                        

1997.7.10.

■理科系と文科系■


「理科系と文科系」なんていつからいわれ始めたのであろうか。
正直いって、死語になりつつあるような気がする。

工学部を出て、文科系の進路の代名詞みたいな金融機関や商社へ就職したり、
私のように、モロ文科系出身で、大手メ−カ−の設計・開発部門の
エンジニアと技術屋みたいな顔をしてやりあっている人間もいる。

思うに、学校で学ぶことだけでは社会に出てからは殆ど役に立たないのか。
特に日本の学校は。

やはり社会に出てからの環境、経験が大きく左右するのであろうか。
よく言われる、「理科系の学生が製造業に行かない」と。
でも受け入れ側にも問題がある場合も有ると思う。
特に中小製造業は中身を変えていかなければ、若い人材の注入が不可能となる。
理系・文系を問わず、やる気の有る若者を受け止める企業づくりを目指す必要が有ろう。

情報ネットワ−クを使い、新しい製造業の方向性を見出そうとしている、
”インダストリ−ウエブ ”の皆さんの試みは、21世紀の日本の中小製造業の
一つの方向性だと思う。
ただものをつくるだけではなく、そこにソフトを乗せ、
仕事をネットワ−ク化しようという姿勢は理科系・文科系という枠を超えた人達、
新たなる「ネット系」産業人を生み出そうとしているのではないか。
                        

1997.7.1.

■行政機関が考える研究開発とやら■

昨今、お国の偉い方や機関は欧米に負けじと、基礎研究分野に
まさに青天井と呼べるような研究費をつぎこんでいらっしゃる。
資金の配分も適正なる研究評価というよりはその筋の親分が
気分や好き嫌いで決めているような噂も。

その結果、研究機関では予算消化の為に、高額な研究用機器が
スクラップ置場にうずたかく積まれる結果となる。
言うまでもなく税金の無駄使いというやつである。

我々、中小製造業に身を置くものとして、これらの予算が
現実と遊離した基礎研究だけでなく、実際の現場を担っている、
日本の製造業の基盤をなす中小製造業に予算のいくらかでも
回す事はできないのだろうか。
今後の日本の製造業の将来性も変わってくるはずである。

また、金だけ回せば良い訳ではなく、技術を見る目も養い、
技術力のある中小製造業を育てて行かねばならないと考える。   
                        

1997.6.30.

■はじめに■

明日よりこのページで金属機械加工業界をとりまく
さまざまな話題を掲載していきます。

執筆者は(株)ヤマトプロセシング  鈴木貞良氏です。

鈴木氏の経営される(株)ヤマトプロセシングは昨年の12月に
NHKの朝の番組でインターネット資材調達を進めているという話題で
テレビ放映されました。

ホームページも非常にわかりやすく、また技術資料としても有用です。
相談コーナーというページも開設しておられます。

また、このコラムに対するご意見ご感想をお寄せください。

                        

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