ネットを中小製造業のビジネスプラットフォームに
(中略)
大橋さんの出発点は、94年に発足させた「諏訪湖電走会」から始まる。電気自動車の製作を通しての地域活性化を目的に結成。その活動の中で、共同受注、共同宣伝、共同開発が可能なネットの可能性に着目し「インダストリーウェブ研究会」を立ち上げる。これは、ネットを利用して、諏訪の製造業を活性化する可能性を研究しようという試みだった。
96年には研究会のホームページをオープン。その年末には、地元の製造業の行く末を案じる若手メンバー10人で製造業の仮想モール「諏訪バーチャル工業団地」を発足させた。
(中略)
諏訪全体のアイデンティティー、個々の企業特性、技術、商品力などを突き詰めて『諏訪の製造業はコレができる!』というものがないと、まず興味がわかないし、仕事も発注しようと思ってくれない。また、それらを的確に理解してもらえるコミュニケーション手段がなければならない。
現在、諏訪の製造業界では、大橋さんを中心にして「e-ものづくり」をテーマに新たな活動を開始した。インターネットでの情報交換はもちろんのこと、ネット経由での受注事例紹介、行政とタイアップしたイベント開催、ほかの工業地域との協力関係推進など盛りだくさんだ。諏訪の製造業を元気にするためには、できることはなんでもやってしまおうというスタンスだ。
「諏訪を情報発信地とした、中小製造業のビジネスプラットフォームをつくりたいんですよ。これからの時代、一人勝ちという発想では生き残れません。とくに諏訪の我々の製造業は、地域と連動しながら、個々の企業が成長していくこと、ほかの会社や地域との違いを生み出すことで、製造業一社一社すべてが『勝者』になることを目標にしています。」
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