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1998.7.8. ■新人教育 〜その2■ 私がまだ新人だったころは、職場にドラフターと2次元CADが混在しており、 主に若手が2次元CAD、ベテランはドラフターという感じで設計業務を 進めていました。 新入社員は、まずドラフターでの手書き製図を一から教わります。 先輩社員が出した簡単な例題をこなしながら、3面図の描き方から製図記号など、 いわゆる「JIS製図」というものを習得していきます。 そして慣れてくると、実際の設計テーマに投入されるのですが、 最初はもっぱら「部品図ばらし」という作業が専門です。 この「部品図ばらし」という作業は、先輩社員が描いた組立図から各部品の形状を 推定し、寸法を実測することでその部品の3面図を完成させるものです。 このとき、先輩の図面をじっくりと眺めることで、「3面図を読む」という能力が 鍛えられると同時に、機械を設計するノウハウを学ぶことができるわけです。 3面図は、設計者が加工者に部品の情報を流す手段であることから、 間違いや誤解のあるものであってはなりません。 製図検定などでよくある例題に、以下のようなものがあります。[設問] 以下の図面における投影は成立するか?
正解はこちらです。
2次元CADや手描きで製図をしていたころは、こうした例題は初心者にとって 非常に説得力のあるものでした。 しかしそれは、「3面図の投影は間違える可能性が高い」という前提があってのことです。 前にも説明しましたが、3次元CADの場合には3面図を描く段階で 投影を間違える可能性というのは皆無に等しいのです。 となると、3面図の難しさを説くことにどれほどの意味があるというのでしょうか・・・ (続く)