1998.8.19.
■デザイナーのうなぎのたれ その5■
デザイン四方山話
『デザイナーのうなぎのたれ』と題し誰でも実践できるデザイン手法を紹介したいと思います。
今回は、モノの配置に付いて何回かに分けて考えてみます。
初めには黄金分割です。
皆様の中には『黄金比』(Golden Ratio)をご存知の方が
居られるかと思います。
おさらいすると、古代ギリシャ以来、線分等を分割する時に
1:1,618にする事が最も美しいと使われたものです。
これは感覚の問題だけではなく美的対象要素として
歴史的にも様々な学者が証明してきました。
(右図参照)
エジプトのピラミッドもこの法則を活かして
設計されているそうです。
たとえば入れ物等の蓋と本体の配分を考えるとき
良くクライアントからどうしてこの分割比率なのか?
黄金分割は使わないのか?とお決まりのように
聞かれる時があります。
その時よく私は、自分が刀を『合った鞘』に収めた時の
安堵感を感じるバランスを取ったと解答します。
黄金比率ですべてのもののデザインが成り立つなら
デザイナーなど要りません。
美しさのバランスは個人個人微妙に違うものだと思います。
但し明らかに10人中9人くらいが美しいと解答する
形状(バランス)は有るものです。
こうなると後はその商品の特徴やクライアントの
好みという事になります。
しかし、どうしてこのカタチにしたのか?と問われた時に
『黄金分割で・・・』と解答できれば話が早いことは
紛れも無い事実です。
デザイナーは自分で美しいと感じる法則を
独自に持つ事が必要です。